地震リスクに対する空調・換気システムの事業継続性能評価法の開発

中谷優太, 宮田翔平, 八百山太郎, 谷口景一朗, 糸井達哉, 赤司泰義
空気調和・衛生工学会 論文集, 2025, 50巻, 342号, p.11-20
https://doi.org/10.18948/shase.50.342_11

抄録
近年、自然災害の発生時に設備システムの機能停止が建築物における事業継続を阻害する課題が指摘されており、設備システムの事業継続性能の重要性が増している。しかし、現行の対策は定量的根拠に基づいておらず、その有効性が明確でない。そこで本研究では、構造分野で開発されたFEMA P-58 のPerformance-Based seismic designとフォールトツリー解析を組み合わせ、機能的観点から建築設備の発災時やその後の性能を定量化し、事業継続性能を評価する手法を開発した。この手法により、空調・換気システムの耐震設計や電力バックアップの効果を評価し、コストや環境負荷を考慮した最適な意思決定が可能となることを示した。